青葉台特集－１

その人に合ったサイクルライフを提案

お気に入りの１台が見つかる

「COGGEY青葉台店」

「自転車屋さんにありがちな、『近寄りがたい独特のオーラ』をなくしたかったんです」

そう話すのは、東急田園都市線「青葉台」駅のほぼ真北に位置する「COGGEY青葉台店」の店長、金藤邦洋（きんどう・くにひろ）さん。清潔感あふれるシャツ姿に、物腰の柔らかそうな笑顔が印象的だ。

私たちが良く目にするのは、オイルにまみれた作業衣で自転車だけを相手にする、昔かたぎの職人。空気入れを借りるだけでは怒られてしまいそうで、声をかけるのにも勇気がいる。「その上、おざなりな対応を取られたとしたら、普通の人なら帰っちゃいますよね」と、金藤さん。

そうではなく、初心者にはワクワク感を、悩んでいる方には解決策を、ベテランには刺激を感じてほしいというのが、同店のポリシー。どうやら、「COGGEY青葉台店」が取り扱っているのは、単なる自転車だけにとどまらないようだ。

その一例が、同店で毎週開催されている、車道の走り方やメンテナンスなどの講習会。また、マナーやルールを実際に走りながら学べる走行会も、月に1度開かれている。

イベントを始めたきっかけについてたずねてみたところ、利用客から寄せられた声なのだとか。そこには、「顧客満足」のような使い古されたコピーではなく、「きちんと話を聞き、一緒に悩んで楽しんもらえる場所にしたい」という同店の想いが垣間見える。

そんな金藤さんだが、もともとはIT関連の企業に勤める会社員だったそうだ。通勤で使っていた自転車を「いじっている」うちに、そのおもしろさへのめり込み、この業界へ転職した。

ところが、いざサービスを提供する側に立ってみると、正しい使い方を知らずに危険な状態で乗っている人が多いことに気付かされた。

「簡単なことなのに、どうして誰も質問してくれないんだろう」

その答えは、利用客が知っていた。実は、聞いてくれないのではなく、聞きづらい雰囲気を店舗側が発していたのだ。安全な環境を整えるのがプロの仕事であるはずなのに、現場では逆のことが行われている。金藤さんの中で、何かが形を取り始めていた。

「言いたいことがあったら、何でも口に出せるようなショップにしたい」

その姿勢にいち早く反応したのも、ひとりの常連客だったようだ。

当時の店舗はプロ志向が強かったこともあり、敷居の高さを崩すことが容易ではなかった。そこで、一般の人が訪れるような店舗にこそユーザー本位の人材が必要だと、「COGGEY青葉台店」との仲を取り持ってくれたのだ。

そんな金藤さんに、自転車の選び方をたずねてみた。

すると、理屈ではなく、見た目が大切なのだという。「これに乗ったらかっこよく見えるだろうな」で構わないとのこと。

なぜなら、車と違って自転車は、あらゆるパーツの交換が容易だからだ。自分なりの利用シーンや不満点が見えてきた時点で、目的に応じたチューンナップを施せばいい。

逆に、愛着が感じられないような1台を選んでしまうと、主な乗り手は風雨になってしまう。

では、同店で扱っているようなスポーツサイクルではなく、いわゆるママチャリはどうなのだろう。

この点について金藤さんは、「日常の足として使うなら、量販タイプの安い自転車をそのまま乗りつぶすのも方法だと思います」と話す。

つまりこういうことだ。

仮に20年のサイクルライフを想定してみよう。2年で壊れるような2万円の自転車を買い続ければ、そのコストは10台分の20万円になる。一方、10万円前後のしっかりした愛車を購入し、2年に1万円ペースでメンテナンスを施したとしても、その合計金額は変わらない。

自転車に何を求めるのかは、使い方と乗り手次第なのだろう。

もし後者を選ぶとしたら、「COGGEY青葉台店」は心強い味方になってくれそうだ。

「悩みがあるのに聞く相手のいない方、行きつけのショップがなくて困っている方、何となく飽きてきた方、一緒に走ってみませんか？」

同店の前から伸びているのは、常になだらかで期待感に満ちた道。ペダルに足を乗せるだけで、どこまでも進んでいけそうだ。

◆COGGEY（コギー）青葉台店  http://www.coggey.com/shop11/
所在地／神奈川県横浜市青葉区青葉台2-11-14SGビル1F
TEL／045-530-9031 定休日／無休
営業時間 平日／11:00～19:30 土日祝日／10:00～19:30
アクセス／東急田園都市線「青葉台駅」より徒歩約7分

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