「横浜Viaggio銭湯巡り第1弾」 特集 : Winter 2015~外国人も注目、いま、横浜の銭湯が「熱い」!~ 雲梯(うんてい)のあるお風呂、中区「本牧ゆあそび館」

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左:「本牧ゆあそび館」外観

上:先祖は福井県出身だという、ご主人の福井さん

 

 

横浜市内で営業を続ける「個性的な銭湯」を応援したい。

そんな想いから始まったこの特集では、「神奈川県公衆浴場業生活衛生同業組合」オススメの銭湯を、順次ご紹介していく予定。その第1弾としてご紹介するのが、中区にある「本牧ゆあそび館」。同組合によれば、「新しいタイプの温浴施設」とのこと。

 

いったい、どのようなお風呂なのだろう。ご主人で同組合の理事も務める、福井正隆(ふくい・まさたか)さんに、詳しい話を伺った。

 

-まずは、施設の名称、「本牧ゆあそび館」の由来から教えてください。-

18年前になりますか。私の代にリニューアルをしたのですが、そのとき、「お湯で楽しんでもらう館」にしたくて改称しました。

というのも、先々代が創業した当時の名称は、「竹の湯」だったんです。このエリアに松竹梅がそろっていて、縁起にあやかったと聞いています。

ところが、家庭にお風呂が普及していくにつれ、プラスアルファな「何か」を取り入れる必要に迫られましてね。そんなときひらめいたのが、山手で良く見かける「洋館」のイメージ。現代風な「館」にしてみようと、思いついたのです。

当施設の大きな特徴は、「横浜らしさ」を感じさせる2つのエリアがあること。「大洋のかぜ」エリアは、外国の文明が海を越えて渡ってきた「明治時代」をモチーフにしています。「ゆめはま」エリアは、「みなとみらい21」をイメージした現代風の造りですね。

それぞれ日替わりで、男女入れ替え制になっています。奇数日なら男性が「大洋のかぜ」で女性は「ゆめはま」、偶数日はその逆という仕組みです。

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レンガ調がレトロな「大洋のかぜ」エリア

シックで現代的な「ゆめはま」エリア

 

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-エリアごとに異なった趣があるということですね。ご主人のアイデアなのでしょうか?-

正直に言うと、そうではないのです。

私は一時、銭湯経営に不安を感じ、大手流通チェーンに勤めていたことがあります。職業柄、大阪や名古屋へ出張することが多く、そうしたなかで見かけたのが、当時としては珍しかった「スーパー銭湯」。

「これだ」と思いましたね。横浜で始めたら、喜んでもらえるんじゃないかって。

もちろん、独自のアイデアも盛り込みました。例えば、校庭などに置いてある「うんてい」、あれが浴槽内にあるんですよ。テレビ番組で紹介されたこともあります。「ゆあそび」の象徴といえるのではないでしょうか。

 

-ほか、設備面での特徴としては、どのようなことが挙げられますか?-

2階と3階がお風呂になっていることですかね。先ほど、「2つのエリアがある」というお話をしましたが、これらは「左右」で分かれています。一方、「上下」の違いもあるのです。2階部分には、電気風呂など一通りの施設がそろっていますが、県内の共通料金でご利用できます。別料金の3階部分は、先ほどの「うんてい」や「各種サウナ」などをご用意し、「ゆあそび」をより楽しんでいただける「ロイヤルゾーン」となっています。

細かな設備でいえば、最近になって増設した電気風呂、「アクアプログラム」も人気です。電気式のマッサージ器具と同じように、たたいたりもんだりするのと同じような効果が望めます。また、美肌効果があるとされる塩サウナは、女性に大好評です。

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発汗作用のある塩を使ったサウナ 解放感のある露天風呂、のぞかれる心配はご無用

 

-この施設を、どのように利用してほしいですか?-DSC_7284

3つの「ホット」を楽しんでいただきたいですね。

1つめは、お風呂に入れば1時間ぐらいは冷めませんので、文字通りの「HOT」。

2つめは、ストレスが癒やされるというのか、お湯に入って思わず「ウー」と声を出してしまうような「ホッと」。

最後は、人との触れ合いが楽しめる「ホット」スポット。当施設では、中区の事業として月に2回、「DAY銭湯」という取り組みを行っています。さまざまな経験を持つ民間の方を講師に招き、元新幹線の車掌さんなら旅行の話、英語の先生なら英会話などをお願いしているんですよ。また、二枚目の落語家さんを招いて「寄席イベント」などを行うこともあります。10時半からの1時間半、お茶やお菓子と一緒に楽しんでいただいて、12時からお風呂という流れです。

 

-最後に、読者へ向けたメッセージをお願いします。-DSC_7279

本牧は交通の便が少なく、「陸の孤島」などと言われることがあります。そうしたなか、コミュニティの場として、地域に根ざした活動を続けていきたいですね。

一時は、後を継ごうかどうしようか、悩んでいたこともありました。結局はヒントを得て現在の姿になったわけですが、今では、お客さんの喜ぶ姿を見るのが「やりがい」。関東におけるスーパー銭湯の「ハシリ」という自負はありますが、あまり商業的な要素を押しつけず、「ゆあそび感覚」を大切にしたいと思っています。

また、銭湯を知らない人には、「自宅とは違ったストレスの発散」を味わってほしいかな。お湯に入るというより、「新たな発見」をしに、ぜひ利用してみてください。

 

 

【基本情報】

正式名称/本牧ゆあそび館

住所/〒231-0864 横浜市中区千代崎町2-41

アクセス/JR根岸線「山手」駅より徒歩約14分

TEL/045-624-1126

定休日/5日・15日・25日(土日曜日の場合は翌日)

営業時間/12:00〜25:00

創業/1938(昭和13)年

 

【料金】

2階は県内共通の基本料金/大人(12歳以上)470円、中人(6歳以上12歳未満)200円、小人(6歳未満)100円

3階のロイヤルゾーン料金(基本料金含む)/大人(12歳以上)870円、中人(6歳以上12歳未満)370円、小人(6歳未満)170円

 

【設備】

乾式(ドライ)サウナ/湿式(スチーム)サウナ/超音波風呂/気泡風呂/電気風呂/座風呂/寝風呂/打たせ湯/露天風呂/ボディーマッサージ/薬湯/ミスト(霧吹き)風呂/水風呂/駐車場/コインランドリー/貸しタオル

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Post Author: SATSUKI

音楽・アートの記事を主に書いています。 サスティナビリティに関する観光、製品の話題をお届けする準備をしています。ゆっくり丁寧に、上質な時間を過ごせる情報をお届けしたいと思います。