横浜物語Vol.1後編 「食べる醤油」誕生まで(横浜醤油株式会社 代表取締役社長 筒井恭男氏インタビュー)

 横浜物語 Vol.1 『ハマの味を守り、新しい味を生む。横浜醤油3代目の挑戦』 後編

なぜ新しい味を開発するの?なぜそのネーミングなの? 素朴な疑問と絶品「食べる醤油」の誕生まで。

記事:盛島さつき

 

 

 

 

前編記事はこちらから↓

横浜物語 Vol.1 『ハマの味を守り、新しい味を生む。横浜醤油3代目の挑戦』筒井恭男氏

盛島 : ところで、社長。商品のネーミング、パンチが効いてますね。たとえば、『ハイ辛辛辛醤』(ハイカラジャン)。

これはどうして、この名前になったんですか?

 

筒井社長 : そんなに深く考えたり、こだわったりしている訳じゃないんだけどね。横浜といえばその昔、『おしゃれ』ってイメージがあったし、横浜発祥が沢山あるでしょ。そこから『ハイカラ』って言葉が浮かんだわけ。それと辛いをかけました。

『ジャン』は、横浜弁のあれです、あれ。よく語尾に『~じゃん?』ってつけるでしょ。それと醤油やタレの意味の『醤(ジャン)』をかけました。

盛島 : ようするにダジャレですね。(笑) でも、どうして辛いという字が3つも並ぶんですか?ハイ辛辛辛醤は、決して激辛ではないですよね。味も香りも醤油そのものでありながら、後から唐辛子のほどよい辛さが追いかけてくる絶妙なバランスの醤油だと思います。

筒井社長 : 『ハイ辛』は、実際にはもうすでに使われていたから。けっこう巷に出回っているネームだからね。ありきたりにならないように、ひねった訳です。

盛島 : そうなんですね、納得です。では、次に。

はまこっこ専用醤油。こちらは、どんな想いでつけられたのですか?

筒井社長 : 卵かけごはん専用の、少し甘めの醤油なので、『はまっこ』とニワトリの鳴き声をかけました。

というより、本当にね、直感とかひらめきです。たまに、ふっと思いついたりする時あるの。新しい商品の味は、こんなのあったら面白いだろうな、とか。商品名なんかは特に、何か作業したり、全然関係ないことしてたりする時に、ふっとね。

『あ、これ使えるな!』って思いついたら、すぐメモしたりして、アイディアを取っておくんです。

盛島 : そうなんですか。でもそれってつまり、筒井社長が研究熱心で、普段からずっとお醤油のことを考えていらっしゃるからこそのひらめではないですか? 

新しい商品だって、沢山開発されて。社長の代になって17年の間に次々と。好きじゃないとできないと思います。しかも社長はもともとは、会社継ぐ気は全然なかった、ともおっしゃってました。でも今回の取材で、ここかしこに、社長のお醤油への想い、情熱を感じています。

筒井社長 : 会社を継いだ時は、いろいろ考えましたよ。今までのやり方では、先々厳しいものがある、と感じていましたから。

自分なりの方法を見つけないといけなかったよね。合理化はもちろんなんだけど、受注生産制に切り替えながら、さらに新しい商品開発するっていうのは、ようするには、言ってみれば、新しいことやって行ったり、作っていかないといけなかったってこと。

でも実際には、商品開発って口で言うほど簡単じゃないです。手間もお金もかかるから、実際には大変。

盛島 : そうですよね。そうだと思います。

筒井社長 : 言ってしまえば、それまでの醤油だけ作っていたんじゃダメだから、作ったの。新しい味、面白い商品を。横浜醤油の味を守りつつも、新しい味にも挑戦していかないと。

冗談を交えつつ、ざっくばらんにお話くださる筒井社長。終始笑顔でお話がとっても弾みます。

盛島 : ハイ辛辛辛醤、すでに私ハマってます。お勧めのきんぴら、早速作りました!しかもレンコンのきんぴらです。

筒井社長 : 風味が変わるからね、火をかけてる時に半分、出来上がったきんぴらにまた半分、ハイ辛辛辛醤かけるといいですよ。

盛島 : はい、わかりました!『ハイ辛辛辛醤』は、他にも愛用していますよ。トマトと玉ねぎのシャーベットサラダのドレッシング、アジの南蛮漬けなど。もうこの夏やみつきの味になりました。

 

盛島 : さて、いよいよ、今回のメインテーマ。『たべる醤油』について、お話を伺いたいと思います。

まず何といっても、『醤油を食べる』なんて発想、これまでなかったので、本当に興味深かったです。と同時に、初めて口にしてみて、あまりの美味しさに、感激しました。ごはんが止まらなくなりました。

一番初めに試した食べ方は、社長がオススメくださった炊きたてごはんに直接のっける、『ごはんのおとも』です。

筒井社長 : 美味しいでしょ。他の料理や食材にも、試しましたか?

盛島 : はい!沢山試してみましたよ。焼きナスのつけだれ、揚げ豆腐のトッピング。またシュウマイのタネに隠し味として混ぜてみたり、煮豚の味付けにも使ってみました。どれも本当に深い味が出ていて、『食べる醤油』ならではの美味しさを実感しました。

 

筒井社長 : 食べる醤油は、何味を使ったの?

盛島 : ごはんのおともは、ノーマル。ニンニク風味は、煮豚や焼きナスと揚げ出し豆腐。焼売の隠し味には、柚子風味です。

そうそう、ここでも、ネーミングに注目です。ネーミングというより、ラベルの表示です。

ノーマルは、『あ゛』。

 

ニンニクは、『に゛』。

 

そしてゆずには『ゆ゛』って書いてあります。

 

盛島 : 一体これらは何と読むのでしょうか・・・。

筒井社長 : 初めて食べた時の感動と衝撃を表してみました。なんて読むかは、食べてくださるお客様のご判断にお任せいたします。

盛島 : ありがとうございます。

ちなみに、食べる醤油なんですが、液体の醤油ほど濃いわけではなく、案外さっぱりしていますね。食べやすくて、風味があってそれが、『食べる醤油』ならでは、食が進む美味しさなんですね。

筒井社長 : いろいろブレンドされている分、塩分量は醤油よりだいぶ低いんです。賞味期限も醤油より短く、保存は開封したら冷蔵庫でお願いします。

盛島 : それでは本題です。どうしてこちらの商品を開発しようと思ったんですか?

筒井社長 : 食べるラー油があるなら、食べる醤油があったっておかしくないよね、ってところから、スタートしました。

盛島 : 食べるラー油ブームがありましたね!あちらがヒントになったんですか。

筒井社長 : 今じゃうちの人気商品です。一度に作れる量も限られているし、工場見学の人が沢山買って帰るから、すぐなくなっちゃういます。ゆずは特に、女性に人気ですね。

盛島 : 食べる醤油『ゆず』は、口の中に入れた瞬間、爽やかな柚子の風味が拡がりますよね。マイルドな口当たりで本当に美味しいです。『食べる醤油』は、まさにハイ辛辛辛醤やはまこっこ専用醤油と並ぶ、筒井社長開発のヒット商品なんですね。

 

 

※)ハイ辛辛辛醤に合うレシピはじめ、横浜醤油の商品で作った数々のレシピを、追ってご紹介させていただきます。(9月中に全レシピ掲載予定。クックパッドにも掲載されます。)

 

 

横浜ヴィアッジオ3周年特別企画『横浜物語』、記念すべき第1弾は、横浜醤油株式会社、筒井恭男社長にお話を伺い、2回にわたり、ご案内させていただきました。

お醤油の味と、お人柄あって、横浜ではなかなか有名な筒井社長です。

9月30日開設予定、食と空間情報サイト『美味しくなぁれ』 http://oishikunaare.net でも、ご協力いただく予定です。

2018年1月20日(土) 世界のカリスマ寿司職人・小川洋利氏をお招きしての横浜セミナー・寿司実践講座の催しでは、

横浜醤油株式会社がスポンサーとしてご協力くださいます。9月10日アーティストインタビューVol.17 『寿司職人・小川洋利氏インタビュー』にて詳細ご案内いたします。

 

次回横浜物語は、 9月20日掲載予定 (横浜物語Vol.2  石川町・元町・本牧・山手 石川商店街会長・大島重信氏インタビュー)

 

【横浜醤油株式会社】

横浜醤油株式会社 http://www.yokohama-syouyu.com/

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Post Author: SATSUKI

音楽・アートの記事を主に書いています。 サスティナビリティに関する観光、製品の話題をお届けする準備をしています。ゆっくり丁寧に、上質な時間を過ごせる情報をお届けしたいと思います。

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