アーティストインタビュー2016 第1回は、宮澤真理氏の国際映画祭デビュー作となった、「Decorations」をイントロダクションに、宮澤氏のインタビュー記事を掲載いたします。 (3月15日(火)公開予定)
なお、宮澤真理氏インタビュー記事は、全4回のシリーズにてご案内を予定しております。
アーティストインタビュー2016 (横浜Viaggioアーティストインタビュー Vol.6)
お弁当・アニメーション作家 宮澤真理氏 インタビュー 全4回記事のためのプロローグ
宮澤真理氏の作品を初めて目にしたのは、2013年の夏でした。みなとみらい線馬車道駅すぐに、古き良き横浜の趣き残す、美しい近代建造物が点在するその街並みの一角に、東京芸術大学大学院があります。
アニメーション専攻の卒業制作作品上映会があり、それを観にいったのがきっかけでした。
学内のロビーホールでの展示の際に、数多く展示された卒業制作作品は、どれもオリジナリティにあふれ、魅力的な作品ばかりでした。作品一つ一つの展示内容に目を通しているだけでも、時間が足りなくなるほど、見ごたえあり、楽しめます。
その中でも、私の中でひときわ強く異彩を放った作品が、宮澤氏のアニメーション「Decorations」でした。
つややかで、見るからに甘く美しそうなお菓子の妖精たちが、月夜に照らされる薄暗いキッチンで何やら始めます。何とも言えない質感となめらかで美しいそのさまは、パネル展示されたスチール写真から、今にも動きだし、羽ばたこうとしているように感じられ、何とも言えない強い衝撃を覚えました。すぐに上階で行われていた上映会に向かい、「Decoraions」を鑑賞し、手に入れた卒業作品DVDを自宅で何度も確認するという、とにかくそれほどまでに強く惹きつけられたのです。
そして思いました。
― 「Decorations」を紹介したい ―
当時の宮澤氏は、デコ弁制作第一人者(お絵かきお弁当制作者)として、すでにメディアでも数多く取り上げられる存在でした。お絵かきお弁当の新たな表現を求めて、アニメーションを取り入れるため宮澤氏は、大学院に通っていたのでした。まさにその集大成が、その時観た、卒業制作のアニメーション・ショートフィルム「Decorations」だったのです。
そして、「Decorations」は、後に第8回TOHOシネマズ学生映画祭 ショートアニメーション部門グランプリに輝き、それを皮切りに、数々の国際映画祭で受賞、上映されるまでになりました。
インタビュー記事でもお伝えしますが、宮澤氏の作品の特徴は、「食べられる物」を基調にしてアニメーションが作られており、素材ならではの「質感・ぬくもり感」が伝わってくるようです。
「食べられる物」を用いて作品を作り、そこに醸しだされる「シズル感」を伝えるこだわりは、観る人を強く惹きつける重要な要素です。
ですが宮澤氏のクリエイティブな日々の営みや、日常を楽しく変える工夫の積み重ね、豊かな発想力こそが、宮澤氏の作品の根幹をつかさどり、人を惹きつける魅力的な要素に繋がっていることを、私はインタビューを通じて、強く感じました。そのことが記事となって、皆様にもお届けできれば幸いです。
尚、下記宮澤氏公式サイトにてご覧いただけますが、e-テレにて「こにぎりくん」、伊藤ハム「ハム係長」など、メディア、スポンサー企業、出版等、さまざまな分野にて、宮澤氏の作品を目にすることができます。こちらの記事とあわせてぜひご覧ください。
公式ウェブサイト 「e-お弁当作っちゃいました!」
活動歴・実績
http://www.e-obento.com/activity
「Decorations」受賞・上映歴
http://www.e-obento.com/decorations/%E5%85%A5%E8%B3%9E%E3%83%BB%E4%B8%8A%E6%98%A0-award-screening/
「Twins in Bakery」受賞・上映歴
http://www.e-obento.com/twinsinbakery/award-screening
3月15日(火)公開予定 (予告)
アーティストインタビュー2016 / 横浜Viaggio アーティストインタビュー Vol.6
― 世界中を駆け巡るアニメーション「Decorations」は本物のお菓子でできている ―
世界が注目するお弁当・アニメーション作家・宮澤真理氏、単独インタビュー (全4回)
第1回 タイトル
~アニメーションの素材は本物の「たべもの」たち~
デジタルの分野で実績を積みあげたデザイナー、宮澤真理氏が到達した「お弁当・アニメーション作家」という新境地。その独創的な発想力と、世界中を魅了する、良質な作品が生まれる意外なきっかけとは ― ?