長編映画『アルビノの木』ポルトガル・フィゲイラ・ダ・フォズ三冠受賞!! / 金子雅和監督最新インタビュー(YVAI-Vol.16更新記事)

長編映画『アルビノの木』ポルトガル・フィゲイラ・ダ・フォズ三冠受賞!! 金子雅和監督最新インタビュー(YVAI-Vol.16更新記事)

2017/5/27掲載、横浜ヴィアッジオアーティストインタビューにご協力いただいた、金子雅和監督(アーティストインタビューVol.16)作品、長編映画『アルビノの木』が、フィゲイラ・フィルム・アート2017(ポルトガル・フィゲイラ・ダ・フォズ 最優秀長編劇映画賞、最優秀監督賞、最優秀撮影賞)の3冠に輝き、次いでヴェステロース映画祭 2017(スウェーデン・最優秀撮影賞)を受賞しました。

それを受けて、横浜ヴィアッジオにて金子雅和監督の最新インタビューを取らせていただきました。

全67作品(世界23カ国)、メインコンペティションとなる長編劇映画部門は15作品(10カ国)が出品(アジアからは『アルビノの木』のみ)された同映画祭。
審査委員長アンドレージ・コワルツキ氏は、「『アルビノの木』は、ある地域の観光に被害を与える一方で別の地域社会では尊敬されている“珍しい白鹿”を殺すことで大きな報酬を得る契約を受け入れた猟師の、倫理的ジレンマを伝える」とコメントしています。
スウェーデンでの受賞も含め、ヨーロッパでこのような受賞・評価につながったことを、金子監督は次のように語ってくださいました。

※)インタビューでは、前のポルトガルでの受賞、フィゲイラ・フィルム・アート2017 3冠受賞を中心に、お話を伺いました。


金子監督:
まず、多くの外国人にとって日本の山深い風景は、とても魅力的にうつるようです。
特に水が豊富で湿度ある柔らかい自然の姿が、印象に残ったのではないでしょうか。
内容に関しては、本作のストーリーは現代の日常から始まっていますが、民話的な要素を多く含んでいます。現代日本のリアルを描くというより、寓話・民話的なアプローチでストーリーが展開します。
その時代のリアルを描く方が、時事的にはわかりやすく捉えられるのですが、時がたって映画を観ると、かえって共感が得にくくなることもあります。それに比べ、寓話・民話は、長いスパンで語り継がれ、普遍的な要素で物語は生き続けます。
日本人が観ると厳しい目で捉えられることでも、海外の人にとっては、もともと異なる
文化・環境の中にある分、ストーリーの普遍的な要素によって、共通点を拾いやすくなるのだと思います。
また、この映画内で描かれている「異なる文化・価値観」の対立、そこから生じる葛藤。勧善懲悪で割り切れるものでない世界観は、今の時代、国を問わず多くの人が向き合わざるを得ない「自分と異なるもの=他者に対しどのように振る舞うか」という命題を(寓話的にではありますが)伝えようとしています。

 

―答えがひとつしかないことを語るより、答えが出せないことと向き合う作品が作りたい―

映画祭2週間前にはスペインでもテロがありました。本作編集中にもフランスでテロが
あり、私自身、作品の主題と改めて向き合いながら作業を進めました。
様々な問題を抱え、世の中が不安定な中で、『アルビノの木』のストーリーから、何か感じて頂けた部分があったのではないかと想像しています。私自身、答えがひとつしかないことを語るより、答えが出せないことと向き合う作品が作りたいという思いが常にあります。

あと、ポルトガル・スウェーデン双方の映画祭で最優秀撮影賞を頂いたのですが、 スウェーデンの映画祭より「視覚的表現のあらゆる面を丁寧に考慮し焦点が当てられた傑出した映像」という評を頂き、一緒に映像を作り上げた撮影部・照明部の人たちの総合力が評価されたことが嬉しく、光栄に感じてます。

今回映画に出演くださった長谷川初範さんは、当初から『アルビノの木』を多くの海外の人に見てもらいたい、と言ってくださっていたので、それがかない始めて、私自身とても嬉しく思っています。

スタッフや主演の松岡龍平さんなど、長年一緒にやってきた仲間とこの作品が作れた事にも、大きな意味があると思っています。

今回のポルトガル、スウェーデンでの映画祭受賞により、国内での更なる上映予定も具体的になりつつあるようです。
近く上映についてもお知らせできるのではないでしょうか。最後に、監督の次の作品について伺いました。

金子監督:
企画・脚本の段階ですが、今準備をしています。『アルビノの木』は企画開始から初上映まで実に8年と、非常に時間のかかった作品ですが、次はもっと短いスパンで、同時に前作を大きく上回る作品を完成出来るよう、頑張ります。

 

<金子雅和監督 プロフィール>
1978年東京都生まれ。
青山学院大学国際政治経済学部(スラヴ世界の歴史と文化専攻)卒。
大学在学中にイメージフォーラム付属映像研究所の助手をし、8mm/16mmフィルムで習作的な映像制作を始める。
のち、古書店で働きながら映画美学校に通い、瀬々敬久監督の指導を受ける。
同校フィクションコース高等科の修了制作に企画が選ばれ初監督した 『すみれ人形』は、
07年ひろしま映像展などで受賞、08年都内6週間レイトショー公開、09年DVDが発売(発売元:TMC)。
ハンブルグ日本映画祭(ドイツ)にて正式上映される。

その後、企業VP/CM、ケーブルTV番組、ゲーム用映像などの撮影・演出の仕事に
携わりながら、WEB配信用の企画や自主製作、及びに助成企画に選出されて
6本の短編映画を監督。
その内の一本である『水の足跡』(2012年・きりゅう映画祭助成作品)は、
ゆうばり国際ファンタスティック映画祭、オーディトリウム渋谷などで上映され、
山形国際ムービーフェスティバル2013にて準グランプリを受賞。
2016年、第二回長編監督作『アルビノの木』が北京国際映画祭のコンペにノミネート、
テアトル新宿で劇場公開。現在も各地で巡回上映中。

また、他監督の撮影を担当した作品として、
現代美術家・会田誠が主演した短編映画『砂山』(監督:松蔭浩之/2013年森美術館で公開)や、
小説家・乙一が本名の安達寛高 名義で監督した『Good Night Caffeine』(2015年春劇場公開)などがある。

アーティストインタビューVol.16

映画『アルビノの木』 金子雅和監督インタビュー:5月27日から劇場公開(横浜ジャック&ベティ) 

【『アルビノの木』クレジット】

監督・撮影・編集 / 金子雅和

プロデューサー / 脚本金子雅和 ・ 金子美由紀

出演 / 松岡龍平 ・ 東加奈子 ・ 福地祐介 ・ 山田キヌヲ ・ 長谷川初範

製作 / kinone

配給 / マコトヤ

コピーライト / kinone http://www.kinone.net

公式サイト /  http://www.albinonoki.com/

公式Facebookページ /  https://www.facebook.com/albinonoki

公式twitterTwitter  / https://twitter.com/albinotrees0716

 

 

 

 

 

 

Post Author: staff_01

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