シルバーウィーク企画Vol.1 スポーツの秋 【2015 Inas グローバル競技大会】 FIDバスケットボール日本代表

知的障がい者によるスポーツの国際大会、第4回 Inas グローバル競技大会が 南米エクアドル・キト周辺で開催されます。それに伴い、FIDバスケットボール日本代表チームが、 9月18日成田を飛び立ちました。

9月16日・17日の2日間は、大会出場を前に、最終調整練習が横浜根岸のたきがしら会館にて行われました。

今回その取材を元に、知的障がい者のスポーツ、特にバスケットボールに焦点を当てて、取材レポートをまとめました。

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Inas Global Games とは、4年に1度開催される知的障がい者によるスポーツ国際大会です。

2015年エクアドル大会で、4回目を迎え9月20日から27日の8日間、開催されます。

同大会への日本チーム参加は、陸上、水泳、卓球、フットサル、バスケットボールの計5団体になります。

各スポーツチームごとに、遠征スケジュール、合宿先も異なりますが、今回取材協力いただいた、FIDバスケットボール日本代表チームは、全国から選抜された選手25名(男子選手13名、女子選手12名)と、コーチ・スタッフ6名の31名で編成され、9月18日、エクアドル遠征に向けて派遣されました。

Inas グローバル競技大会が4年に1度の現形式になった経緯は、2000年のシドニーパラリンピック後のパラリンピック代替が前提になったことがあります。

シドニーパラリンピック開催にともない、知的障がい者によるバスケットボール競技が正式採用されましたが、大会終了後の選手資格詐称問題が発覚し、以降、パラリンピックの競技としてIDスポーツが除外され、現状に至ります。

「ろう者のスポーツも言えると思うが、ID(知的障がい者)スポーツは、他の障がい者スポーツに比べて、理解されにくい面がある。」

8月6日の単独インタビューの際にそうお話くださったのは、FIDバスケットボール日本代表ヘッドコーチを務める小川直樹氏。

車いすなどの障がい者スポーツの発展・普及に比べて、身体的に健常者とあまり違いがなく、客観的にわかりにくい知的障がい者は、障がいとして受け入れられる環境が整うのに時間がかかるそうです。

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確かに取材中でも、知的障がい者によるバスケットボール練習であることをあまり感じさせない練習風景がそこにありました。

練習では基礎的なフットワークや、体幹練習、走りこみから、ボール練習、パスやゴールといった連携のきめ細かな最終の仕上げに至るまで、集中力を絶やすことはなく、最後まで練習に没頭している選手たちの姿がありました。

コーチから上がる指導の声も、特別ゆっくり易しく説明するようなものではなく、むしろ厳しくも感じます。

「こんな厳しい練習にへこたれることはないのだろうか。」

そんなことすら思うほどでしたが、それだけ選手たちはハードな練習にも、俊敏に対応し、複合的なチームの動きに体を順応させ、絶えず考えながらプレーをしています。

ただ、これは積み重ねの成果であり、彼らは日本代表です。全国から選抜され、プレッシャーもある中、更なる飛躍を目指して練習に励んでいるのです。

ですが、客観的に見て障がい者のスポーツとして、認識されにくい。提供してもらえる練習会場の確保、支援のすそ野を広げることが決して容易ではなく、長い道のりを経てきたことは、十分に理解できました。

また内的要因として、家族を含めて、知的障がいがあることを公表しにくい、日本の社会的な土壌、意識の壁も大きく要因しているのかもしれません。発達障がいや知的障がい者への認識、理解も日本でもこの10年でだいぶ進み、整備されつつある現状にあります。それでも日本以外の諸外国、先進諸国では、知的障がい者の障がいも、一つの個性として理解され、(「個性」という考えかたすら、古く感じるほど)自立した生活・活動の範囲を広く得ている国も多くあります。

小川氏 「練習と同じく、地道に障がい者スポーツの活動を重ねて、正しく認識され、理解されるよう、取り組んでいくしかない。」

さまざまな壁を、一つ一つ乗り越えるための努力が、知的障がい者のスポーツの活動には、絶えずついて回る。決して簡単な道のりではないことを、小川直樹氏インタビューにうかがい知ることができました。

 

その一方で、地道な努力を積み重ねることでその先に大きな結果が現れ、更に可能性を拡げる、ということを、Inasグローバル競技大会直前練習の機会に知ることができました。

小川氏 「練習だって、積み重ねれば、これくらいできるようになってしまうんですよ。もともと選手たちが、幼いころからバスケットボールをやっていた訳ではありません。数年の間にこれだけ出来るようになる。変わるんです。」

9月21日現在(AM)、長旅の末、遠征先エクアドル・合宿先のグアヤキルに到着、早速練習に入っているとのことです。(ヘッドコーチ・小川直樹氏Facebook報告より)

 

日本FIDバスケットボール連盟の活動について、ぜひ 公式HPにて、詳細ご覧ください。

http://www.jfidbf.org/

ご支援についても同HPリンクページにて、テキストにて記載されています。

http://www.jfidbf.org/archives/national_team/2489

 

なおInas グローバル競技大会については、後日、また記事として掲載する予定です。

 

Inas グローバル競技大会概要 (日本FIDバスケットボール連盟掲載内容)

大会名称:2015 Inas Global Games

大会期間:2015920日~927

地:エクアドル・キト

国:32か国

参加人数:1,000名(2015219日現在)

競技会場:Julio C. Hidalgo Coliseum(バスケットボール)

 

 

≪日本選手団≫

 陸上競技:男子選手20名、女子選手14名、コーチ10名、医療1

 水泳:男子選手19名、女子選手7名、コーチ10名、医療1

 卓球:男子選手4名、コーチ2名、

 フットサル:男子選手10名、コーチ5

 バスケットボール:男子選手10名、女子10名、コーチ・他6

 本部役員:スタッフ12名、医療2

 合計:男子選手63名、女子選手31名、コーチ・他46名、医療4

 

≪バスケットボール出場国≫

 男子:オーストラリア、ポルトガル、アメリカ、ベネズエラ、フランス

    マレーシア、ポーランド、日本/計8か国

 女子:オーストラリア、アメリカ、フランス、日本/計4か国

Post Author: staff_01